いいのだろうか、いいのだろうか。
男として、今は家族として、ルナの服をオレが脱がすなんて……。
「(できないです神様!オレにそんな勇気ありません!誰か助けてください〜)」
心の中で悲鳴をあげていると、ルナがまたオレの肩を突ついてくる。
思い切って質問する事にした。なんにせよ、本人の了承を得なければ……。
「ルナ、い、良いんですか?」
「ん」
あまりにも迷いがなさすぎて、一瞬唖然となるオレ。ルナは若干人間的感情が欠けている気がする。
オレは、心の中で円周率を言いながら、服を脱がせる事にした。
じゃないと理性が保てない気がする。気がするだけで、確かではないが。
でも、ルナを怖がらせたくない一心で手を動かした。
まずは、羽織っているカーディガンのボタンを一つずつ外していく。
プチン、プチンとボタンを外す音が妙に木霊してオレの緊張を煽った。
次に、水色のワンピース。少しデザインが病人が着そうな感じ。右の腰には、腰回りのリボンのようなものがリボン結びにしてあり、それをほどく。
それはまるで浴衣。その服を横に動かして肩の上を通り、オレはカゴに入れた。
「(3.14159265358979323846……)」
オレは本気で円周率を唱えている。
ルナは気づいていないだろう。オレがかなりの緊張で自分が今何をしているのかを完全に理解できていないことを。
ただ心の中で円周率を言い、手を動かすだけ。もはやホラーに感じてくる。
その後、上、下の順に下着を脱がして、バスタオルを巻いた。
ここまで約5分。想像していた時間より短かった。
たったの5分が、一時間のようだった。
なぜこんなにも早く終わったか……。オレがあそこで働いているから、以上。後はなんとなく察してほしい。
オレも服を脱いで、一応腰にタオルを巻くと、浴室に入った。もちろん手をつないで。
「(どうしてなんですかルナ!男と一緒に入るの緊張しないんですか!?)」
と、問いかけたいぐらいに、ルナは静かで震えもせず、むしろ安心していそうな様子。
「えっと、お風呂の入り方がわかんないんですよね。じゃあ、オレがこれからすることを真似してください」
ルナに話しかけながら、オレは最初に体にお湯をかけ、軽く体を洗った。
女の子と入るなんて初めてで、暖かいはずのお湯が心なしかぬるく感じる。
そしてオレは、先に湯船に浸かるためにルナの手を離した。
「ん」
だが、ルナは再びオレの手を掴む。ため息をつき、オレはルナに言う。
「これでも、わかんないですか?」
「ん」
即答。オレはまるで、本当にルナの教師になった気分だ。この子の未来のためにちゃんと教えよう、なんて考えてしまう自分がいる。
ルナは、本当に何も知らない。今はとりあえず、そこら辺に羞恥心を捨てると決めた。
恥ずかしいと気にしていたら、何も始まらないし、オレがルナを不安にさせてしまう。
「とりあえず、今回だけは特別にオレがルナの体を洗います。だけど、靴の履き方を教えた時はすぐに覚えてくれたみたいに、理解、してください」
「ん」
そしてオレは、周りの空気を一気に吸い込んで、勢いよく吐いた。
深い深呼吸を終えて、手に持ったスポンジの泡を泡立てる。手に力が少しこもりつつも、慎重に体に当て、優しくこすった。
男として、今は家族として、ルナの服をオレが脱がすなんて……。
「(できないです神様!オレにそんな勇気ありません!誰か助けてください〜)」
心の中で悲鳴をあげていると、ルナがまたオレの肩を突ついてくる。
思い切って質問する事にした。なんにせよ、本人の了承を得なければ……。
「ルナ、い、良いんですか?」
「ん」
あまりにも迷いがなさすぎて、一瞬唖然となるオレ。ルナは若干人間的感情が欠けている気がする。
オレは、心の中で円周率を言いながら、服を脱がせる事にした。
じゃないと理性が保てない気がする。気がするだけで、確かではないが。
でも、ルナを怖がらせたくない一心で手を動かした。
まずは、羽織っているカーディガンのボタンを一つずつ外していく。
プチン、プチンとボタンを外す音が妙に木霊してオレの緊張を煽った。
次に、水色のワンピース。少しデザインが病人が着そうな感じ。右の腰には、腰回りのリボンのようなものがリボン結びにしてあり、それをほどく。
それはまるで浴衣。その服を横に動かして肩の上を通り、オレはカゴに入れた。
「(3.14159265358979323846……)」
オレは本気で円周率を唱えている。
ルナは気づいていないだろう。オレがかなりの緊張で自分が今何をしているのかを完全に理解できていないことを。
ただ心の中で円周率を言い、手を動かすだけ。もはやホラーに感じてくる。
その後、上、下の順に下着を脱がして、バスタオルを巻いた。
ここまで約5分。想像していた時間より短かった。
たったの5分が、一時間のようだった。
なぜこんなにも早く終わったか……。オレがあそこで働いているから、以上。後はなんとなく察してほしい。
オレも服を脱いで、一応腰にタオルを巻くと、浴室に入った。もちろん手をつないで。
「(どうしてなんですかルナ!男と一緒に入るの緊張しないんですか!?)」
と、問いかけたいぐらいに、ルナは静かで震えもせず、むしろ安心していそうな様子。
「えっと、お風呂の入り方がわかんないんですよね。じゃあ、オレがこれからすることを真似してください」
ルナに話しかけながら、オレは最初に体にお湯をかけ、軽く体を洗った。
女の子と入るなんて初めてで、暖かいはずのお湯が心なしかぬるく感じる。
そしてオレは、先に湯船に浸かるためにルナの手を離した。
「ん」
だが、ルナは再びオレの手を掴む。ため息をつき、オレはルナに言う。
「これでも、わかんないですか?」
「ん」
即答。オレはまるで、本当にルナの教師になった気分だ。この子の未来のためにちゃんと教えよう、なんて考えてしまう自分がいる。
ルナは、本当に何も知らない。今はとりあえず、そこら辺に羞恥心を捨てると決めた。
恥ずかしいと気にしていたら、何も始まらないし、オレがルナを不安にさせてしまう。
「とりあえず、今回だけは特別にオレがルナの体を洗います。だけど、靴の履き方を教えた時はすぐに覚えてくれたみたいに、理解、してください」
「ん」
そしてオレは、周りの空気を一気に吸い込んで、勢いよく吐いた。
深い深呼吸を終えて、手に持ったスポンジの泡を泡立てる。手に力が少しこもりつつも、慎重に体に当て、優しくこすった。