毎日ルナの学習タイム

その頃、先程までオレたちがいた家の中では、何やら謎の集団が話していた。

「カレンたん!今日は久しぶりに侵入者が来て、私がやるぅって言ったから、マイク担当譲ったのにぃ。プンプン!」

「すみません、林檎さん。今までルナが我々の命令に逆らうことがなかったことで、今回、甘く見ていました」

カレンというのは、ルナにマイクを通じて、厳しい口調で命令していた奴だ。
そして、林檎というのは、少し幼い感じだが、カレンの上司のようだ。

「ダル〜。林檎、責任はカレンにあるんだし、捜索は任せちゃおうよ。ボク、めんどくさいのキライ」

「宙!口を慎め、先輩だぞ。ついでに言えば、私もお前より先輩だ!」

「そんなんボク興味ないし……」

「興味がある、ないの問題ではない!」

「あ〜……はいはい」

「話を適当に流すな!」

「うっさい。鼓膜や〜ぶ〜れ〜る〜」

カレンが下唇を噛んで、悔しがる表情をする。
一方、宙という少年は、そんなカレンに見向きもせず、あくびをしていた。

集団と言っても、この場にいるのはこの三人だけ。
そんな時、さっきとは打って変わって、林檎が真剣な表情をする。

「カレンたん」

「あ、はい!」

林檎の冷めた口調に、緊迫感を感じたカレンは、一瞬戸惑いながらも林檎の方を向いて威勢良く返事をした。

「侵入者ってどんな奴?」

「今、確認します」

林檎の命令で、即座に実行するカレン。
それを見て、よく飽きないな、と考えている宙。
その様子を真顔で見つめる林檎。

静かな家に、カタカタという機械をいじる音が響き渡る。

数分後……。

終了を告げるような勢いで、カレンがボタンを押した。

「たった今、侵入者の解析が完了しました、林檎さん」

「カレンたん……遅い」

「す、すみません」

殺気さえ感じる林檎にカレンは深々と頭を下げる。
宙はそれに対して、クスクスと笑っているが、林檎は気にせず続ける。

「で、どんな奴?」

「何故か、体全体にかなり精密なモザイクがかかっており、どのような人物か特定することはできませんが……女……だと思われます」

「ふ〜ん……情報少なっ」

「すみません、今の私にはこれが限界です。本当に申し訳ありません」

繰り返しボタンがどこかで押されているかのように、カレンはまた頭を下げた。
だが、急に林檎の態度が一変する。

「気にしなくていいよ、カレンたん。もぅ〜、宙たん!カレンたんをいじめちゃダメでしょ、メッ!」

「だって〜、ボクよりできてないから、この人本当に大人なのかなって思ったらさ〜、笑い止まんなくなっちゃってw」

「お前、笑うな!私はお前と違って天才じゃないんだ。仕方ないだろ」

「あ、開き直った」

「貴様!いい加減にしろ!」

カレンが宙に対して啖呵を切った時だった。部屋を眺めていた林檎が言った。