毎日ルナの学習タイム

まるで、映画のワンシーンとでも言うべきだろうか。
光を追いかけ、人の間をすり抜けていくと、一つの場所にたどり着いた。

そこにあったのは、3階建ての大きな家だった。廃居なのだろう。人の気配が感じられない。

「ここに、何かがあるんでしょうか」

迷わず、オレはその家の玄関の前に行った。鍵から放たれる光は、未だ消えていない。光の続きは、家の中まで至っていた。

「(ゴクリ……)」

冷や汗をかきながら、鍵穴に鍵を差し込む。すると……。

カチャッ……。

「あ、開いた！」

驚きのあまり、口を開けて、途方に暮れてしまったが、鍵穴から音がなり、その扉は開いた。

ドアノブに手をかけ、扉を開く。

「お、お邪魔しま〜す」

誰かが住んでいるようには全く見えないが、一応挨拶をして建物内に入る。

そして再び、光が続く方向へ急ぐ。

まだ光は途切れていない。
階段を上がっていき、美しいその光は、2階の端にある部屋にオレを引き込むように伸びている。

そこにも鍵穴がある。
手で開けようとしたが、鍵が閉まっているのか、ビクともしない。

「こんなに静かなのに誰かが？いや、住んでいないと考えたオレが間違っていたのかな？凄い厳重な気がします」

緊張感を持ちながらも、オレの興味が尽きることはない。恐る恐る、ドアノブについた鍵穴に鍵を差し込む。

運がいいのか、そのドアも都合よく開いた。何故かはわからないが、その奥がどんな風になっているのか気になって、惹かれていった。

ギィィ〜……。

やはり古い家なのか、ドアから鈍い音が響きわたる。
そのドアの先にあったのは……。

「病室……？」

部屋の中は、どこかの病院の病室のようだった。部屋の中は暗く、部屋の一番奥の方に小さな明かりがついているだけ。

「(ベッドの先……かな？)」

ベッドの先の方に部屋に似つかわしい綺麗なスタンドランプ。
部屋の真ん中にはベッド。その横に、心拍数などを数値化する機械という、病室という表現がピッタリな空間だ。

誰かが寝ているのだろうか。こんな静かで人気のない部屋に。
そう思ったのは、機械が心拍数を表す音を発しているからだ。

そろりと近づいていくと、ベッドには一人の少女が眠っていた。

よく見ると、オレと同い年ぐらいで、すごく美人。髪は珍しい綺麗な白髪。まつ毛が長く、透き通るような白い肌。彼女は、小さく寝息をたてていた。

「すごい綺麗。外国人なんでしょうか」

いつの間にか、この雰囲気に慣れていたのか、オレは、心の中にあった疑問を、普通に口にしていた。