箱を開けると、いちごがいっぱい乗った大き
なショートケーキきれいなまま残っている。
箱の奥には12本のろうそく。
ケーキの上には…。
「みい 12さいおたんじょうびおめでとう」
が書かれたチョコプレート。
お父さんは私のためにこのケーキを守ったん
だ。指でクリームをすくって、舐める。
甘い。甘いよ。でも、美味しくなかった。
ずっと流れることがなかった涙が、左の頬を
伝った。一筋流れると、涙の止め方を忘れた
みたいに、次々と溢れて、止まらなくなった
。
「お前が父さんを殺したんだよ。」
いつのまにか後ろに立っていた母親がまるで
殺人犯を見るような目で、私を睨んでいた。
なショートケーキきれいなまま残っている。
箱の奥には12本のろうそく。
ケーキの上には…。
「みい 12さいおたんじょうびおめでとう」
が書かれたチョコプレート。
お父さんは私のためにこのケーキを守ったん
だ。指でクリームをすくって、舐める。
甘い。甘いよ。でも、美味しくなかった。
ずっと流れることがなかった涙が、左の頬を
伝った。一筋流れると、涙の止め方を忘れた
みたいに、次々と溢れて、止まらなくなった
。
「お前が父さんを殺したんだよ。」
いつのまにか後ろに立っていた母親がまるで
殺人犯を見るような目で、私を睨んでいた。



