飼い主はイジワル先生⁉︎

それに、みいが殺したんじゃない。あれは事

故だった。誰のせいでもないんだよ。みいが

いつまでもそうやって泣いて引きずっていた

ら、お父さん心配するよ?」

いつまでも泣き止まない私の背中を優しく撫

でる先生の手は暖かい。

「お父さんとの思い出は悲しいことだけじゃ

ないだろ。お父さんとの楽しかった思い出、

お父さんの優しい笑顔をずっと覚えていてあ

げよう?」

家ではいつも甘々な彼氏なのに、今は陸斗が

先生だった。

「はい。ありがとう、先生。」

私は先生の顔をまっすぐ見た。そして、精一

杯の笑顔を贈った。私が陸斗にできるだった

一つのことだから。