吸血鬼の薔薇館

私は冬華の部屋の前に着くと心を落ち着かせ扉を開いた。
そしたら冬華は泣いてて近寄って、
「大丈夫。怖くないよ。」
私はそう言いかけた。
突然、冬華は私に質問を投げかけた。
「ねぇ、今は現実なの?ヴァンパイアって何?
意味がわからないよ!…怖いよ…血、吸われて死んじゃうの?」
私は冬華の言葉に驚いた。
「死なない。大丈夫。今は怖いかもしれない。けどね、
パパだって自分自身が怖いはず。だって見た目はママや
私達と同じように人間なのに食べ物は『血』じゃない。
もしも、私だったら怖い。もしかしたら自殺しちゃうかも。
けど、パパはどう?皆に優しくして、自分自身を自分で理解して
私達のために頑張ってくれてる。私達は怖くない。
パパが恐怖と戦ってるの。」
私が長々しい文章を言い終わると冬華は力ずくで私に抱きついた。
その体は少し震えていた。
「これからどうなるの?」
涙目ながら私に質問を投げかけた。
「これからはパパとママと話さなきゃ。」
「…うん。」と渋々返事をくれた。
冬華の部屋を出る前に私はこう言った。
「大丈夫。何があっても大丈夫。私が…秋華が付いてるから。」
満面の笑みで言うと、
「そうだよね!双子だけど秋華はお姉ちゃんみたい。心強い。頼もしい。」
私はすっごく恥ずかしかった。嬉しかった。
だって初めてそんなこと言われたんだもん。にひひ
私はこの家族で幸せだと思う。