吸血鬼の薔薇館

ある日の事…朝、目が覚め、いつも通りの日常をテキトーに
気ままに過ごそうとした…けど、今日からは無理そうだ。


7:30、ビービービー
いつもの時間に携帯のアラームで私は起きた。それが当たり前。
7:35、「布団片付けときなさいよ!」
いつもの時間に母の声が聞こえ目がぱっちり。それが当たり前。
7:45、双子の冬華を起こす。
いつもの時間に私は冬華を起こす。それが当たり前。
7:50、「ご飯食べるぞ!」
いつもの時間に父の声が聞こえ重い体を動かす。全て当たり前。

ここまでは当たり前日常だった。
外に出ようとすると…外は真っ暗。カラス?いや違う。
コウモリがいっぱい…いっぱい飛んでいた。

その光景に唖然していると、コウモリが私に突撃しようとしていた。

「きゃぁぁぁぁ!」

思わず私は叫んでしまった。けど間に合わず私はその場に倒れ込んだ。
「秋華、大丈夫か!?」
とパパの声が聞こえた。
「ゲホゲホッゲホッ」
心臓に体当りされて喋りたくても喋れなかった。

パパはボソボソと独り言をいう。
けど、内容が全く訳の分からない話だった。
だって、聞く限り「ヴァンパイア」っていうキーワードが多々出てくる。
「ねぇ?パパ、ヴァンパイアって何?」
「あぁ…今から話すからリビングに冬華と秋華2人来い。」
いつものパパじゃない…こんなにトーンが低いパパ初めて。
「分かった。冬華はまだ部屋?」
「そうみたいだな。」
私はその言葉を背中に冬華の部屋へと急いだ。