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その 「アカイイト」によって 導かれたのは、
小学5年生の時だった。

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毎年、クラス替え終わりの、新学期恒例の自己紹介で、彼を知ることになる。


4組になった私は、当時、好きだった「あ行の彼」ともクラスが分かれ、仲いい人がほぼいないこの「4組」で、浮かない顔して机を運んでいた。

「新学期早々、ついてないな~」
心の中で不満を漏らしながら、席に付く。
大体、こういう時って出席番号順がお決まりで
私は結構、名前的に後ろの方だったから、窓側がいつも確保できる。


「……えっと、西宮 壮 です 。 」

彼が放った言葉は、たったこれだけ。