歩く。歩く。真っ直ぐに。 どうやってここまで来たのか、どうやって帰れば良いのか、見当も付かぬ。四方は山に囲まれ、長閑な風景が広がる。 私は何をしているのだ。 何をしに来たのだ。 何をしていたのだ。 私の机上には、書きかけの小説、一束。 一文字も、進んではいない。 おや、此処は、何処だろう。