「は、なんで……」
ついさっきでていったニコがまた俺の前にあらわれて、今度は俺が目をみひらく。
そして、すわりこんでいる俺の目線にあわせるようにニコもしゃがんで、俺のくちびるにそっと自分のくちびるをかさねた。
え、まって。
ぜんっぜん状況がのみこめねぇ。
目の前にはすぐ、ニコの顔。
俺のくちびるにいまふれているのは、まぎれもなく俺の好きな子のくちびる。
グルグルかんがえてもまったく理解ができなくて、とりあえずニコの両肩をつかんで俺からはなす。
「どういうこと?」
とりあえずいまわかったことは、
さっき俺がしたキスはお弁当の味だったはずなのに、いまニコからされたキスは、いちごの味がしたっていうすごくどうでもいいことだけ。



