「……」
ニコにだきしめられるとか、そういう問題じゃなかった。
それ以前の問題で、
俺の計画では、いま俺のうしろにいちばんいなければならない人物のニコがいない。
まぁ、ドラマみたいにそううまくはいかないよな……。
とくにそのあいてが、あのバカニコなんだからよけいに。
「はぁ……」
俺は、おおきなため息をつく。
この短時間に、やつはどこにいったんだ……。
俺がニコに背をむけていた時間は、30秒もない。
そのあいだにどこにいける……。
俺が30秒間にあるいてきた廊下をひきかえしながらかんがえていると、
俺がかっこよく目の前をすぎさった2ー5の教室から、俺がいまちょうどさがしている子の笑い声がきこえてきて、まさかな、と思い教室のドアをあける。
「なんでいんだよ……」
自分の席にすわって、ともだちと笑いあっている。
机の上には、黄色いお弁当箱とニコの大好きないちごオーレ。
手にはニコのおきにいりのにこちゃんのフォーク。
口にはタコさんウインナー。
……なに、ふつうに弁当食ってんだよ。



