世界でいちばんキミが好き。




教室について、中にはいろうと、ふと、廊下の先をみてみると、ニコがこっちにむかってあるいてきている。


体育がおわったんだろう。


そのまま教室にははいらずにニコがくるのをドアの前でまっていると、俺はあることにきがつく。


廊下ではなしている男子生徒何人もが、とおりすぎていくニコをみている。


みてんなよな……。


そして、あるグループがニコにはなしかけようとしているのが目にはいって、俺はいっきにあせりだす。


「っ、ニコ!」


きづいたらそうさけんでいて、廊下にいた生徒は俺のほうに視線をむける。


そして、俺にきづいたニコは、とたんに笑顔になって、ひょこひょこと俺のところまで走ってくる。


ニコをみていた何人もの生徒の前をとおりすぎて……。


ここにいる全員に、みせつけるかのように。


この瞬間が、マジで好き。


当の本人は、そんなしずかな戦いがこの廊下でおこなわれていることには、もちろんきづいてないんだろうな。