少し間をあけて。

『…もう遅いのよ。それにいくら、女遊びしてなくても、常に隣に女の子がいて、あの時はずっとずっと泣いてたの。見るたびツラくて、一時期何にも食べれなくなった位ね。』

「あれは…振りほどかなかったのは、カムフラージュになればって。オレの彼女ってだけで、目をつけられるなら、特定出来なくすればいいと思ったんだ。それで、萌琉に対する嫌がらせもなくなればって。」

苦痛に歪められた綺羅の顔を、冷静な目で見てる私。

対称的かも。

「嫌がらせがなくなるわけないじゃないですか!別れてもあれだけ構ってれば。素っ気なくしてても、見てる人にはわかるんですよ?!それがわかってるから、先輩を好きな女は悔しくて、益々嫌がらせされてたんですから!フラレたんだから近づくなって、かなり陰険なね。それを守ってあげれなかった先輩が、やっぱりダントツで傷つけてますよっ!」

ずっと黙ってた織ちゃんが立ち上がって、初めて人前でぶちギレた。

「別れてからのほうが嫌がらせずっとされてたのか?!」

唯が織ちゃんの言葉に反応して、私に詰め寄る。

『終わったことよ。私は日本にもういないし。これから先も帰るつもりないから。織ちゃん、行こ。』

立ち上がりながらそう話し、織ちゃんの手を引いて歩く。

もう、蒸し返さないでほしい。

私は前に進むんだから。