「萌琉、いい加減面倒だから、少し位話してあげれば?唯、萌琉不足で生き倒れるわよ。」

『イヤ。こっちに来てやっと唯から解放されたのよ?関わりたくない。』

母がため息をつきながら、私を横目で見てくる。

「唯のこと、キライ?」

『キライ。てゆうか、それ以前に唯の妹ってだけで、良いこと一つもなかったから。私個人を見てくれた人なんて、限られてるの。それがいやでしょうがなかった。』

「まぁ、気持ちはわかるけど。たった一人のキョウダイなんだから、電話にでるくらいしてあげたら?」

母も電話が面倒になってきたんだろうな。

いつもより食いついてくる。

こんなにしつこくは言ってこないから、きっと唯のしつこさに耐えきれなくなってきたのかな。

『…わかった。次かかってきたら、ちゃんと話すよ。』

「だって。良かったね、唯。」

電話繋がってたの?!

はいって、渡される電話。

“萌琉っ!萌琉!会いたい!戻ってきて!大学はこっち受けてっ!話したいことたくさんあるんだよっ。”

うるさっ。

唯は息つく間もなく、話し続けてる。

『唯、落ち着け。』

“無理に決まってる!どれくらいぶりに話したと思ってんのっ?!”

まだまだ捲し立てる唯。

と、沈黙のあと。

“萌琉、会いたい。お願いだから、目の届く所にいて。お前が近くにいないと眠れねぇわ、飯もマズイわ、大学行く気にもなんねぇ。頼むから戻って傍に居て。”

………。

だから電話に出るのイヤだったの。

途中で綺羅にかわるような気がして。