「お前に関係ないだろ。萌琉、行くぞ。」

私の手を引いて歩き出す綺羅。

その背中をおもいっきり殴ってやった。

何も言わずに振りかえる綺羅を睨むと、私は内藤くんの元に戻り、頭を下げる。

『ごめんなさい。私、内藤くんとは付き合えません。』

「付き合っていくうちに少しずつ好きになってくれたらいいから!」

必死に言ってくれる内藤くんに、申し訳なさで一杯になる。

なんか泣きそう。

フラレる気持ちはわかるから。

経験したばっかりだし。

『あのね。私、好きな人に好きな気持ち、全部あげちゃったの。だから、今は好きのチャージもできてない。空っぽなままなんだ。だから…ごめんね。』

歯をくいしばって、悔しそうな内藤くん。

これが私の精一杯の正直な気持ちです。

「オレなんかより、神城さんの方が可哀想だな。本当、残酷ですね、立浪先輩って。神城さん、もう行って?泣きそうだよ。」

泣き笑いになっちゃったけど、もう一度頭を下げて走り出した。

後ろから唯の声がしたけど、構わず走った。

もう、私を解放してほしい。