ハッピーエンドじゃないけれど。

「えーなー!大好きだよ!笑那はおれと結婚するんだ!」

「知ってるよー!私も泰ちゃん大好き!ずっとずっと笑那のとなりにいてね!」

「笑那、ほんとにずっとおれの隣にいてよ...。もし離れることがあったとしてもおれのこと忘れないで...」

泰ちゃん、だいすき、だいすき。

絶対忘れない、本当に本当に大好きな人。

いや、大好き...だった人。



「やまし、た...泰賀...『泰ちゃん』...!」

泰ちゃん、泰ちゃん、ごめん忘れない、忘れてないよ。

「...え、、ゆめ...?」

自分の声で起きた。

「...2時半...」

時計は2:27を指していた。


ずいぶん...でもないか、三年前のことをいまだ夢見る。

「泰ちゃん...」

私の声は部屋の暗闇に消えていった。



山下泰賀(やましたたいが)

私の初恋の人。

どうして今、思い出したんだろう。

泰ちゃんがいなくなってから初めて目に留まった人...。

星野くんを見るなってことなのかな...。