ハッピーエンドじゃないけれど。

-笑那side-

用...。用、とかはない。

あ、でも!

「野球!さっきの体育の時間に、野球してたでしょ?」

「お、おう」

なんだか驚いた様子で返事が帰ってきた。

「あのね、そのときのホシノ君がすごくかっこよくて!それだけ!」

私は捨て台詞のように言って、ホシノ君に背を向けた。

「びびんねぇのか...?」

そんなことを言ってたのも聞かずに。





は、な、し、た!

話してしまったーーー!

...ってこんなこと思うくらいなんだから、気にはなっちゃってるよおおお...。

なっちゃんにどう言おうか?

「やっぱり気になります」って?

長い長い廊下。

今日は考え事をしてたから、いつの間にか化学実験室に着いていた。


「あれ?なっちゃん早くない?」

「遅い!何してたの!?」

私より先に席に着いているなっちゃん。

少し話しただけで、走ってきたんだけどなぁ。

「えと...、トイレ!」

嘘をつくのが苦手な私が、初めてなっちゃんについた嘘。

「...ふぅん?」

「て、手伝うよ!!」

うまく切り抜けれた?

今目を合わすと絶対泳いじゃう。

私は実験に集中しようと必死だった。