ハッピーエンドじゃないけれど。

-虎我side-

山岡のクラスがソフトで優勝してたから、ひとこと「やったな」って言いたかっただけなのに...。

俺はなぜか隠れている。

体育倉庫裏からはどーも出れそーにもない。

というより、そんな雰囲気じゃねえ。

「山下くん?」

「うん...」

ダレだ?山下くんって。

一瞬恋愛系の話かと思ったんだ。

だけど、アイツの顔を見るとまず違うとわかる。

...今にも涙が出そうな悲しそうな顔してる。

俺、なんでアイツばっか気にしてんだろ。

もう誰も好きになんねぇって誓った。

「気になる人ができて...」

なのに、そんなこと言う山岡が気になって仕方ねぇ。

恋はしないって決めたんだ。

愛は与えないって誓ったんだ。









「...タイガが私のことを好き!?本当なの!?」

「お前は何を考えてんだ!!!!出ていけ!!!」

「ちが、おい、、聞けよ!!」

「タイガ...私のこと、好き?」

愛は与えても返ってこないもの。

愛は必ず捨てられるもの。

苦しくて他人(ひと)には言えない恋をした。

もう恋はしないと誓った。







「逢いたいなあ...!!」

けど、山岡。

俺はアイツが気になっている。