ハッピーエンドじゃないけれど。

-笑那side-

吸い込まれるような青空。

4月のポカポカ陽気が私の眠気を誘う。

ああ、このままウトウトしたいな~なんて...。

そんな私のうららかな気持ちとは真逆の
大きな大きな声が落ちてくる。

「こらッ!!山岡!!山岡笑那!!」

ちょっと窓の外見てただけじゃん...。

「はい...。」

「お前余裕だなぁ?この点数で!!」

イヤミったらしく私の顔の前に12点のテストを数学教師はつきつけた。

「今回だけだもん...」

「なーにが今回だけだ!前回の点数覚えてるのか!?」

「...21点」

教室にどっと笑いが起こる。

...理数系苦手なんだもん...。

「ちゃんと授業聞いておけよ!」

「...あい」

こんなに楽しそうな日にちゃんと授業なんて受ける気しないよ。

いーな、何組かな。体育野球なんだ...。

また窓の外に目を移すとどこかのクラスの男子が野球をしている。

私が知ってるスポーツと言えば野球くらい。

一人男の子がバットを振れば太陽にかかりそうなくらい白いボールがのびた。

「すごーい...」


ガッツポーズしながら1塁ベースを蹴る。

私はこの男の子に見とれてしまった。