ハッピーエンドじゃないけれど。

...話、か。

「奏!鳴海と先に教室戻っててよ!」

「んぁ~」

カナちゃんはクラス...いや、学年で1番かわいい。

けど、カナちゃんは男の子に興味がないみたい。

甘い食べ物と私たちのことは大好きなんだけどね。

「トロフィーと賞状は~?」

「頼んだっ!」

「笑那~、あとでチョコあげるね」

「ちょっと!私は!?」

カナちゃんにまで気を遣わせちゃったのかな。

そんなに表に出てた?

「...ありがとう!」

カナちゃんは優しく微笑んで、なっちゃんの隣に歩いていった。












「うん。出てるっていうか気付いてくださいと言わんばかりに!」

「うそ~~~~!出てない出てない出してない!」

なにが!?どれが出てた!?

星野くんと練習できて嬉しかったこと?

なっちゃんと少し気まずい雰囲気のこと?

夢を見たこと?

「まー、奏は高2からのつき合いだし...鳴海は...ね?だからさ、私は笑那が元気ないのは見てわかるよ。その理由も」

やっぱりまだなっちゃんと私はぎくしゃくしてるように見えるんだ...。

「中学のときのこと、知ってるのは私しかいないから、私に頼ってくれていいよ。笑那に...笑那に、心から信頼できる人ができたならその時は私も引き下がるけどさ」

「ううん、華琳ありがと。聞いてくれる?」

「うん」

「あと......信頼できる人が...もし...できても、華琳には頼り続けるよ」

高校から仲良くなったなっちゃんにも話さなかった。

華琳にも話したいわけじゃなかったのかもしれない。

少なくとも今までは。

けど、今は聞いてほしかった。今は華琳しか頼る人がいないよ------------------。