近いようで遠い恋

「ねぇ、光」

南は真剣な顔で私を見ている。だか、その理由がわからない。

「これは、私の思い込みかもしれないけど、光は広瀬のことが好きなの？」

「え！」

私は、驚きの声をあげた。どうして南がそんなこと言うのか、訳がわからない。

「南、何行ってるの？太陽くんには彼女いるのよ！私が彼を好きになるわけがないじゃない」

「そんなのわからないよ。光、愛梨さんが広瀬に会いに来た時、悲し顔してた」

うそ、うそだよ。私がそんな顔してる訳ない。私は太陽くんとは友達。ただの友達…なのに、南の言葉はとても胸が苦しく感じる。

「私がきづかないとでも思った？」

南の言葉に私は何も言えなかった。だって、そんな気持ち、恋する気持ち私は知らない。今の私は、恋をしている…そんな風に見えるの？

(太陽くんを好きなの私が…？)

「もし、私の言ってること当たってたら、絶対私に言ってね。私はいつでも光の味方だから」

(南…)

南の言葉は、これから気づいて行く気持ちの始まりだったのかもしれない。今ならそう思うことができる。

「わかったよ。ありがとね南」