近いようで遠い恋

学校に着くと、南は大勢の友達に囲まれていた

「南〜一緒に行こー」などと言い、女子たちは私を割り込み入ってくる。私は気まずくなって、その場から逃げ出そうとした。

でも、逃げようとした私の手をぎゅっと南につかまれた。

「ごめん〜今日はこの子と用事あるから先行くね〜」

と、言いその場から走り出す

「あのさ、南どうしたの?」

昇降口からずいぶん離れた、中庭の方に来ている。

「実はね、広瀬に言われてさ〜光と一緒にいてくれないって」

(どうして…太陽くんがそんなこと…)

「本当にごめんね、光いつも大丈夫って言ってたから…」

南はシュンとした顔で私を見ている。

「だから決めたの!これからはズッーと一緒にいる!一番の親友だもん」

私には、親友という言葉がとても嬉しく感じた。そして、私が我慢していたことを太陽くんは気づいてくれた。

「じゃあ、教室行こっか」

私はコクリとうなづいて、二人で教室に向かった。