桜が舞う季節

私の中学校2年目の生活が始まる。今年もきっと何事もなく。そう思っていた。

「光〜一緒のクラスだったね〜」
そう声をかけてきたのは幼なじみの
久坂 南

明るくて優しい南はみんなの人気者

でも、私は彼女とは違う
地味で暗い女
藤田 光

光という名前だけど影みたいな存在

そのくせに理想が高い
そんな私に恋などできない。今は、そう思っていた。

教室に入るとみんなが南に駆け寄ってきた。

「よろしくねー」とか、「南ちゃんと同 じクラスちょー嬉しい!」など、

南のファン?らしき人たちがどんどん寄ってくる。

私はスーッとその場からにげて、自分の席に着いた。

(さすが人気者…私と全然違う)

そう思いながら、ぼーっとしていると

一人の男の子が目に止まった
バチッ
と、目が合うと私はすぐに下を向いて
目をそらした。