とある日の風紀検査で。

「なぁなぁ、まい。好きな人おるん?」
突然話しかけられ、驚きを隠せなかった。
「い...いるけど」

まい、と呼ばれた私は菊川まい。中学2年。そこら辺の女子と変わらないんじゃないかな。
そして、私に話しかけてきたこの子は、窪田れみ。

「えっ。居るん!?だれだれ!」
と、興味を持ったようだ。
「えっ、言わないよ!」

私は、れみから視線をそらそうとした。けど、れみは諦めないようだ。
「教えて。まい」
「えぇ、、、」

私が戸惑っている内に他の友達も集まってきた。
集まった子は、川畑ありさ。岩見みゆ。富岡ゆいか。
みんな興味津々で私を見ている。

「・・・。はぁ。。。」
言うしかないか。私は、少しうつむき加減に言った。
「山島....」

「えっ、嘘やん!?とあ!?」

れみが驚く。何故か他の子も驚いていた。
何故驚くのだろう。と私は、首をかしげた。
「どこがいいん?とあの」
ゆいかが問いかけてきた。

「優しいところとか?」
「あんな奴優しいか!?」
れみが更に驚いた。

山島とあ....私が好きになった男子。
何故好きになったかなんて覚えていない。気付けば好きになっていた。

「告白したら?」
「はっ?急に?w」

今日好きな人教えて、今日告白って...。

「だって、とあ今スランプやしな」

確かに、とあは今スランプだ。早退がここんとこ増えている。
クラスでは「とあ病」という訳の分からない病気を言っていた。
「とあ病」というのは、調子も悪くないのに早退をすることだ。

「告白してok貰えんの?ないない」

私は、ふんっと鼻で笑った。
れみは少し引いてから言った。

「大丈夫やって!」

こうして何故か告白作戦が始まった。