「教えてもいいけど、
きみたちはわたしに、何を支払う?」

「は?」

「等価交換だよ。
一方通行じゃ、つまらないからね」

「簡単に言えば、ギブアンドテイクか。
……どうするよ? 桜」

「……君にあげられる情報なんて、
僕達は持ってないよ」

「情報じゃなくても構わないさ。
そうだな。 たとえば……
ーーきみたちの物語、とかね」

「物語……?
……そんなの、どうやって……」

「簡単さ。 きみたちが一刻も早く、
過去の記憶を取り戻してくれたらいい」


桜がみんなに目で合図をとる。

私たちは、その条件で頷いた。


「では、決まりだ。 ここにいる
きみたちの人数分、質問に答えてあげるよ」