ハッとして目を開ける。

最初に思ったのは、教会のよう、だった。

神聖な場所と言われればすぐ納得しそうな、
どこか趣きのある部屋。

けれど、上も下も横も、
全てステンドグラスなのは目に悪い。

微かに聞こえてくる歌声は、
ボクの眠気を誘った。

一筋の光が天井から降り注いで、
ある一角の床を照らしている。

キラキラと宝石の粒が反射して、
それもまた教会を彷彿とさせた。


「ここは、一体……」


独り言のような呟きを拾ったのは、
少し後ろに立っていた鈴蘭だった。