** 持ってきた水を机に置いていたとき、 ほんの僅かに睡蓮の手が動いた。 私は目覚めたのかと思い、 必死に彼の名前を呼び続けた。 そしてーー。 「………ん……んん………」 「睡蓮っ!」 やっと目が覚めた。 まだ焦点の合わない瞳が、私を捉える。 握りしめていた睡蓮の手に、 ぎゅっと力を込めた。 「睡蓮……。 私が誰だか、わかりますか……?」 起きたばかりの睡蓮を驚かせないように、 静かに口を開いた。 睡蓮は、こくりと頷く。