腕の力を緩め、コツンと満里奈のおでこに自分のおでこを当てると、満里奈の動きも止まって上目遣いに俺を見た。

「…あの」
「…好きだ、満里奈」

その言葉に、かぁっと顔が赤くなる満里奈に、たまらなくなって、キスをする。

回数を重ねるキス。回数が増える度に、最初は嫌がっていた、それが驚きに代わり、今は驚きつつも受け入れてくれるようになった。

…そっと唇を離すと、満里奈は恥ずかしそうに目を伏せた。

「…満里奈」
「…どうしてでしょう?」

「…え?」

俺を両手で突き放して、パッと両手で自分の顔を覆った満里奈。

その行動の意味がわからず、満里奈の顔を覗きこむ。

「…満里奈、どうした?」
「…やじゃないんです」

「…ん??」
「…御崎社長のキスが」

その言葉に、目を見開く。

「…どうして、嫌じゃなくなったのか」
「…それって」

まさか、満里奈は俺のこと…

俺は満里奈を再び抱き寄せた。

「…御崎社長、私」
「…その感情が何なのかわからない?」

俺の言葉に首を降る満里奈。俺はもう一度問いかける。

「…満里奈は俺のこと好きになったんだ」

その言葉に、勢いよく顔をあげる満里奈に微笑んで見せる。

「…苦手なら、嫌いなら、こうやって触れることすら無理だろう?」

ハッとした顔をした満里奈の頭を優しく撫でた。

「…その好きが、恋愛感情なのかはわからない。でも今はそれでいい。こうやって触れる事を嫌がらないなら、俺はそれだけで嬉しいから」