俺の顔が今、どんな顔をしてるのか何て、自分でわかるはずもないのだが。

「…プッ」

その俺の顔を見て、満里奈は吹き出し声をあげて笑いだした。

「…何が可笑しい？」

怪訝な顔でそう言った。…が、満里奈は相変わらず笑っている。

「…だって、何が聞きたいのかと思ってドキドキしてたんですけど。ピアスの事なんて思ってなくて…しかも、男からか？何て聞かれたものですから」

…まだ笑っている。

「…御崎社長」
「…なんだ？」

「…これ、確かに男の人から貰ったものですけど、男は男でも、お兄ちゃんからですよ？」

「…は？」

イラついた気持ちはどこへやら。一気に身体中の力が抜けた気がした。

ポカンとする俺を見て、満里奈はニッコリ笑う。

「…言いましたよね？私は男の人は苦手だと。こんな高価なものを見ず知らずの男性から貰うなんて、しかも、身に付けるものなんて論外です」

「…俺からのプレゼントは貰ってくれた」

俺の言葉に、苦笑する満里奈。

「…だって、ゴミ何て言うから。それに…」
「…それに？」

何か言いたげにしているのに、勿体ぶって言わない満里奈に聞き返す。

どんどん赤くなる顔に、何事かと思えば。

「…正直嬉しくて、今も付けてます」

そう言って、気恥ずかしそうに笑う満里奈の顔が、あまりにも可愛くて、俺は思わず満里奈を抱き寄せた。

満里奈は驚いてアタフタする。

それがまた、たまらなく可愛いから、もっとぎゅっと抱き締める。