そのときにやっとぼくたちは、大変なことになったと気づきました。

ぼくたちはあわてて星を作ろうとしました。

「おはよう!」

「お疲れさま!」

「こんにちは!」


だけど、夜空はいつまでも暗いままでなにも変わりませんでした。


それどころか、ぼくたちの世界には暗やみがひろがり、1日のほとんどが夜になってしまったのです。


ぼくたちにはそのいみがちっとも分かりませんでした。


ただ分かるのは、ひとつだけかがやいている小さな星が、さびしそうにみえるということだけでした。



この世界は、危険な世界にもどってしまいました。


星が消えてしまう。

そんな大変なときでも、争いをする人びとがとだえなかったからです。


金なんてとっくになくなってしまっていました。


争うりゆうなんてどうでもよかったのです。


気に入らないから、むしゃくしゃするから、いばりたいから、仕返しだから。


人びとの心にきたない気持ちがこびりつくにつれて、暗やみはその色をこくしていきました。