それからぼくたちは、言葉を大切にして暮らしました。

さわやかな朝、町のみんなにおはようと言うのはぼくのにっかになりました。



だけど、そのうち夜空に星があるのはぼくたちにとって当たり前になりました。


こんなにあるのだから大丈夫、誰かが代わりに言ってくれるはずだ、とだんだんみんな星の材料の言葉を言わなくなってしまったのです。


それはぼくも同じでした。


だってめんどうくさいし、嫌いなゆうくんには言いたくないんだもの。



「星が減ってきている」


そんな噂が流れたのは、ぼくたちの世界に初めて星ができたときからたった半年あとのことでした。



毎ばん星はすこしずつ減っていきました。


だけどぼくたちは、「星の材料を持っているから星が減ったら簡単に増やすことができるさ」と思っていたので、星がなくなるなんて考えもしませんでした。




そんなある日、空から金色にかがやくつぶがふってきました。


それは、

「金だ!金がふってきたぞ!」

ぼくたちが集めたいつかの金でした。