35センチの恋






「 そろそろ帰らなきゃね。

… 寂しいな。」




泣きやんで落ち着いたももりが

小さな声で言った 最後の一言に

俺はもう 止められなくなりそうだった。




抱きしめる腕に

さっきよりも ぎゅっと力を込めた。




「 …離したくないって言ったら困る?」




気付けばそんなことを言っていた。




「 えぇ!あの、その… 。」




耳を真っ赤にして 動揺するももり。




あー、もうダメだ。好きだ。





はやく ” 好き ” だって 伝えたい。



それで そのとき 俺が好きで仕方ないって

顔をしてくれたら どんなに幸せだろう。