35センチの恋






少し歩いた頃。




「 このあたりだったら

綺麗に見えるかな。 」




あれ?私の勘違い?



「 そうだね。ここにしよう。」



「 … 」



やっぱり沈黙が続くーーー 。




勘違いじゃないよね。


なんだか 怒ってる気が… 。




「 稜くん…?」



「 ももり。聞いていいか?」




そう言い 持っていた わたがしを

私に差し出す。



それを受け取り 私は コクっと頷く。




「 さっきの… 」





ドーン!




大きな音がなるとともに 巨大な花火が

晴れた夜空を覆い尽くした。




キラキラした 火の玉が

一瞬のうちに 視野いっぱいに

広がっていく。




「 わぁ… 綺麗… 」



「 ああ… 」




言葉にならないほど 綺麗で

ただただ 打ち上がる花火を見ていた。