35センチの恋






「 じゃあ 行こっか。ん。」




そう言いながら 手を出してくる 稜くん。



ん?



「 手。絶対はぐれるから

繋いでて。」




むっ 子ども扱いして!




でもはぐれるのは嫌だから

ここは言うこと聞いとこう。



「 はぁーい。」



私なんかよりずっと大きな 手を握った。



りたとパパ以外の男の人と

手を繋いだことなんて なかったから

理由はどうであれ やっぱり

緊張する。




でもほんと私より 私のこと

わかってるなぁ 稜くんは。



なんでもお見通しなんだから。






花火が上がるまで まだ時間があったから

屋台を見て回ることにした。



「 わぁ!たくさんあるね〜。」



たくさんの屋台に ワクワクが

抑えきれない。