海から上がり みんなのもとへ
向かって歩く。
「 今日は いろいろごめんね。
迷惑ばっかりかけちゃって。」
「 ももり。ごめんね は いらない。
ありがとう が 嬉しいかな。」
そう言って 少し眉を下げて
私を見る 稜くんは
同い年なのに 私なんかよりずっと大人だ。
「 そうだね。ありがとう。」
笑顔で 稜くんを見上げる。
すると私と視線を合わせるために
屈んでくれる。
「ん。それでよし。」
そう言いながら 優しく微笑み
頭を撫でてくれた。
ドキッ
なんだろう。
胸が きゅうってなった。
ドキドキする。
結局 この気持ちがなんなのか
気づけないまま みんなのところに
戻った。