35センチの恋






風になびくカーテンの隙間から

見えたのは 愛おしい君。



あれから1度も 話せていない。



ただ毎日毎日 会いたいという

気持ちだけが募っていた。



気づけば ベッドの横にある

パイプ椅子に腰を掛けていた。



甘い香り。



香水か?



桃の香りがする。




すぅすぅと寝息を立てて

幸せそうに 眠るももりが愛おしくて

仕方ない。




つい伸ばしていた手で

優しく頭を撫でた後

さっきの上書き と 理由をつけ

可愛い寝顔に そっとキスを落とす。




名残惜しいが ももりが

目覚める前に 保健室をあとにする。




目を覚ましたとき

俺のことで頭がいっぱいに

なってればいいのに… ーーー。