35センチの恋






side 稜人



* * *



休み時間がくれば

女からの呼び出しがくる。



無視すりゃいい話ではあるが

和磨が それを許さない。




「 ダーメ!女の子が勇気出してるのに

無視するなんて

男として 絶対ダメだからな。」




和磨には 日頃からお世話になっている

こともあり 頭が上がらない。




そんなこんなで 毎回 呼び出しに

応じているわけなんだけど。




今日の女は ひと味違った。



「 私 あなたのこと 好きなの。」



「 うん。それで?」




とりあえず 最後まで話をさせて

スッキリしてもらおうと 聞き役に徹する。


無駄に恨みを買うのはごめんだ。