35センチの恋






「 怖いのか?こっちくるか?」




それに気づいた 稜くんが

優しく声をかけてくれる。



でも 動けない。




「 そっちいく。」




ゆっくり立ち上がり 隣に座ってくれた。




それだけで すごく 安心する。




気づけば 稜くんの服の裾を

掴んでいた。





「 もう 大丈夫だから

景色見てみな。」





稜くんに 言われ顔を上げてみると

すごく広い 綺麗な海が見えた。




わぁ… 素敵。



海が キラキラしてる。



怖さなんて知らないうちに なくなってた。