35センチの恋






「… チッ。」




横にいる 稜くんが ものすごい

不機嫌そうな顔で 舌打ちをした。

こ、こ、怖いよっ!




「 稜くん?」




恐る恐る声をかけてみた。




「どした?」




さっきの顔からは 想像もつかないような

優しい顔で 微笑んでくれた。




あれ?勘違い?よかった… 。







やっと 私たちの順番がきた。




乗り込むと それは 全部で 3台しかない

スケルトンの ゴンドラだった。





下が透けていて 下を見れない。



どうしよう。



怖くなってきちゃった。



でも迷惑かけたくないし。




ガタンっ




ゴンドラが揺れた瞬間

ギュッと目を瞑る。