35センチの恋






「 え!あ、違うの違うの!

背高いのいいなぁと思って。」



「 そっか。」



一言そう言って 優しく笑ってくれた。




「 もういい?昼休み終わっちまう。」




りたは 少し不機嫌な顔でそう言うと

私の手を掴んで 教室へ向かって

歩き出した。





「 え〜 もう?」



横山くんが 口を尖らせてそう言う。




「 ごめんね。またね。」



引っ張られながら そう答え

じゃあねと 手をぶんぶん振ると

無口な 彼も 控えめに手を振ってくれた。




またお話しできるといいな。