35センチの恋






「…ぷっ。あはは!ごめんごめん。

ももりちゃんて言うんだね。

噂通りの 天然っぷり。

人違いなんかじゃないから。」




私の 頭が ハテナでいっぱいに

なったそのとき




「「 キャー!!!!!」」




女の子たちの 黄色い声が

購買に 響き渡る。





「 あ!稜人!」



「 和磨。遅いと思ったら

また女口説いて … っ!! 」





そう言いながら 歩いて来た 男の子は

私を見るなり 言葉を詰まらせ

すごく驚いた顔をしている。





横山くんとは 正反対なタイプの男の子。




傷みのない 綺麗な黒髪。




それに すごく落ち着いた雰囲気。




あとね 背がすっごく高いの。





羨ましい…





彼の 身長を羨ましく思いながら

じっと見ていると

ばっちり目が合ってしまった。




「 俺の顔 なんかついてる?」




少し頬を染め 照れ臭そうにしながら

聞いてくる。