『そっか。』


りょうくんはその場から立ち上がってどっかに行ってしまった。





りょうくんはなんでもできるし、勉強もできた。そのせいか小学校の頃からよくモテていた。それは中学生の時も、そして今も。
愛想も良かったし男子からもモテていた。




みんなからモテて、好きな人と一緒に帰れて誰もが憧れる人生を送ってる人に私の気持ちなんてわかるはずない。






『りょうくんになんてわかるわけないよ…』




『なにがわかんないの?』




前を見ると両手にペットボトルを二本抱えたりょうくんがいた。





『り…りょうくん…?
どう、して…?』


『りおんが好きなやつ買ってきたぞ』




そう言ってりょうくんは私にペットボトルをひとつ渡して私の隣のブランコに座った。
ラベルを見るとそれは私の好きな【オレンジジュース 果汁100%】だった。




『オレンジジュースってw
どんだけ子供なんだよww』


『そ、そこまで笑わなくてもいいじゃんか!りょうくんだって子供っぽいメロンソーダのくせに!』


『うるさいなぁw
メロンソーダは特別なんだよ。
メロンソーダ以外はちゃんと大人っぽいの飲んでるし!』


『ぷっ…なにそれw』


『あ、やっと笑った。』