守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~

辿り着いたのは少し前までいた藤宮商事の前だ。
今は壁にもたれながらただ立ち尽くしている。

山瀬さんを待つために。

何時に終わるかなんて知らないけれど、それでも……。


「……会いたい……」


会って、知りたい。

山瀬さんの事。

もっと、もっと、知りたい。


「……知って……どうするつもりなんだろう……」


急に怖くなった。
もし、知ったとしても……。

私に一体……何が出来るというのだ。


明確な答えなんて浮かばない。

何も出来ずに事を悪化させるかもしれない。

それでも、会えば何かが分かる気がした。