守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~

「た、大将!! 厨房貸してください!!」


激走して向かった先は店だ。
ガラッと勢いよく扉を開ければ、店の下準備をしている大将と目が合う。


「……おう」


一瞬だけ驚いた顔をしたが、豪快に笑い了承してくれる。
そんな大将に笑顔を返して厨房に入った。

材料を持ち出し、ある物を作る。


「……海咲」

「はい?」

「お前今……凄くイイ顔してるぞ」

「……はい!」


大将はこっちを見る事なくそう言うと照れ臭そうに笑った。