守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~

「変な大将……」


いつもは、こき使う癖に……。
まあ休みなら休みで嬉しいが……。


「……休みか……」


頭に浮かぶのは山瀬さんの顔。
山瀬さんはジャージを私に返してからも毎日の様に店にやって来ていた。

かれこれ1か月。

私と山瀬さんは友達のように親しくなっていた。

だからか……。


「……そうか……会えないのか……」


山瀬さんと会えないのが寂しい……気がする。


「まあ、仕方ない! 書類届けたらショッピングでも行こうかな! 久しぶりに!」


ワザと明るく言って自分の部屋へと向かう。
でもその足取りは嫌に重たかった。


「なーに暗い顔してんだよ」

「チーフ……別に暗い顔なんて……」


否定をしようと思ったが、つい言葉に詰まってしまう。
本当に私って馬鹿。
タメ息が出かかった時、いきなり鼻を掴まれた。