守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~

「すみません……わざわざ送って貰って……」

「いえ! ミサキさんと沢山喋れて嬉しかったです!」


あれから暫く星を眺めていた私たち。
帰るという話になれば、送ってくれるときかなかった。
結局私が折れて甘える結果になってしまった。

でも……。


「……楽しかったです……」


久しぶりに心から笑った気がした。

大将やチーフの前でも笑うが……。
どこか心で過去の事が引っ掛かっていた。

だから凄く楽しかった。


「そ、それは良かったで、です!!」

「……ふふっ、本当に面白いですね、山瀬さんって」


格好良い容姿の為、女性には不自由していないだろうに。
照れたり、どもったり。
そんな姿が新鮮で一緒に居て落ち着く気がする。

1人で笑っていれば山瀬さんは、小さく『カワウソ』と呟いていた。


「あの、カワウソって……」

「え!? いや、そ、その……」


何故かいきなり慌て出す山瀬さん。
首を傾げていれば決意をした様に口を開いた。