守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~

「あはは! 何言ってるんだろう俺!!」


笑ってはいるが、明らかに無理をしているのが分かる。
その笑顔を見ていられなくて思わず声を荒げてしまう。


「嬉しかった!」

「え……」

「嬉しかったです……」


山瀬さんの真っ直ぐな想いが純粋に嬉しかった。

無理して笑顔を作っていた事を見抜かれた事も。
励ましてくれようとした事も。

でも……。


「ミサキさん……」

「ごめんなさい……嬉しい、嬉しいけど……。
私……駄目なんです……」


小さな声が消えていく。


「駄目って……」


言葉の意味が分からず山瀬さんは私に訊ねてくる。
でも、雰囲気で察したのか聞きにくそうに。

最初は、話すつもりはなかった。
だから冷たく接して終わらせようと思った。

でも、身勝手な想いで山瀬さんを振り回したくない。

そう思い小さく口を開いた。