「山瀬さん!!」

「ミサキさん!」


外にいたのは山瀬さんだった。

私の顔を見ると柔らかく微笑みながら駆け寄って来てくれる。


「どうしたんですか!?」

「これ、返す約束してたから」


柔らかい笑顔のまま紙袋を差し出してくる。
それを受け取り中を見ればジャージが入っていた。


「わざわざすみません、ありがとうございます」

「……お礼を言うのは俺の方です。助かりました」


人懐っこい笑顔は自然と胸へと入り込んでくる。

彼の声が、柔らかい笑顔が……。
凄く落ち着くんだ。


「……それと……」

「あの……」


山瀬さんと私の声が重なる。

沈黙と化した空気を山瀬さんが優しく破ってくれる。


「ど、どうぞ」

「は、はいありがとうございます」


軽くお礼を言って、さっき言いかけた言葉を口にする。