「ミサキさんって面白い人ですね!」

「……え?」

「す、すみません馴れ馴れしくて……」

「いえ、気にしてないですよ」


慌てる理由が分からず思わず笑みを零してしまう。
私の言葉を聞いた瞬間、山瀬さんは勢いよく立ち上がった。


「え……じゃ、じゃあミサキさんって呼んでも……」

「え? もちろん!」

「あ、ありがとうございます!! 俺はや……」

「山瀬さんですよね?」


名前を言えば驚いた様な顔をされる。
間違っていたのかもしれない。
そう思って口を開きかければ山瀬さんが口を開いた。


「ど、どうして名前を……」

「昨日、お連れのお客様が名前を呼ばれていたので」

「そうですよね! すみません!」


驚いた顔は直ぐに笑顔に変わる。