***
「……」
夜の街を途方も無く歩き続ける。
何も考えず、ただ無心に。
無意識にたどり着いたのは、拓海先輩と別れたあの場所だった。
ここで、先輩の友達と会って……。
「海咲さん?」
考えていれば急に自分の名前を呼ばれる。
驚いてそっちに顔を向ければ会いたくも無い人が立っていた。
「ちょっ……待って!」
逃げだそうと走り出した私の腕を追いかけて掴む男の人。
この人こそ、私に絶望を与えた張本人、拓海先輩の友達だ。
この人さえいなかったら……。
私はまだ先輩の隣に立っていたかもしれない。
そう思うと憎んでいいのか、感謝していいのか分からない。
「……」
夜の街を途方も無く歩き続ける。
何も考えず、ただ無心に。
無意識にたどり着いたのは、拓海先輩と別れたあの場所だった。
ここで、先輩の友達と会って……。
「海咲さん?」
考えていれば急に自分の名前を呼ばれる。
驚いてそっちに顔を向ければ会いたくも無い人が立っていた。
「ちょっ……待って!」
逃げだそうと走り出した私の腕を追いかけて掴む男の人。
この人こそ、私に絶望を与えた張本人、拓海先輩の友達だ。
この人さえいなかったら……。
私はまだ先輩の隣に立っていたかもしれない。
そう思うと憎んでいいのか、感謝していいのか分からない。


